トレーラー
トレーラー
ジェットスキーを輸送するトレーラーについて
●はじめに
ジェットスキーを輸送する手段として、@トレーラーで輸送、Aワンボックスカーなどの車内に載せて輸送、Bピックアップトラックの荷台に載せて輸送、といったことがが挙げられます。それぞれ下表に示すようなメリットとデメリットがありますが、ゲレンデなどで見かける限りでは、圧倒的にトレーラーを利用している人が多いようです。その一番の理由は、普段使っているクルマをそのままトランスポーターにすることができ、新たにクルマを用意する必要がないといった手軽さでしょう。ここでは、トレーラ各部の機能説明と、軽自動車規格のトレーラーを対象にトレーラー牽引までに必要な手続きを説明します。
表1 ジェットスキーを輸送する手段とそのメリット・デメリット | ||
手段 | メリット | デメリット |
トレーラー | ・手持ちのクルマをそのまま利用できる ・ジェットを下ろさずに水洗できる ・水に直接漬けることができ、ジェットの上げ下ろしが楽 ・オイルやガソリン等の匂いが車内にこもらない | ・トレーラーの維持費(車検代等)が必要 ・普段トレーラーを停めておく場所が必要 ・保管時、ジェットに風雨が当たる |
ワンボックスカー | ・風雨等からジェットを守ることができる ・保管時に盗難される可能性が低い | ・車内が狭くなる(あまり人を乗せられない) ・オイルやガソリン等の匂いが車内にこもる ・どこへ行くにもジェットと一緒になる ・ジェット水洗時に下ろす必要がある |
ピックアップトラック | ・ジェットを下ろさずに水洗できる ・オイルやガソリン等の匂いが車内にこもらない ・ブイ、ウェット等の濡れものも気にせず載せられる | ・車内が狭い ・保管時、ジェットに風雨が当たる |
●トレーラー各部の機能
トレーラーのフレームはスチールに亜鉛めっきをしたものが主流です。その他、アルミニウム製やステンレス鋼製もありますが、スチール製に比べるとやや高価です。
ジェットスキートレーラー(シーマリン)
カプラー 牽引車側のヒッチボールに被せて連結します。 約¥3,000。 | コネクタ(メス) 牽引車側のコネクタ(オス)に差込み、 電気系統(ウインカー、テールライト、バックライト)を 牽引車側と連動させます。7極タイプです。約¥2,000。 |
トレーラージャッキ トレーラーを立てる足のようなものです。 単独で移動させる際や高さを変える際などに使います。 手動式のレバをまわすことで足が伸びます。 使わないとき(牽引時)は回転させて 地綿と水平にして格納します。約¥4,000。 | ハンドブレーキ トレーラを単独で駐車させる際のブレーキです。 ドラム式の他に、タイヤの接地面を直接抑える ストッパー式があります。 アト付もできます。 パルプ工場やIRが何であるかを解 |
バウストップ(バウスタンド) ジェットのノーズ(バウ、先端)をココに当てて、 輸送時にぐらつかないようにします。 白いロールのみはバウローラー、 それを固定している足を含めてバウストップと呼びます。 約¥13,000。 | ハンドウインチ ジェットをトレーラーに積載する際に使います。 フックをジェット先端に固定しレバーを巻くことで、 重いジェットを楽に載せることができます。約¥4,000。 |
レール ジェットを載せる部分です。レールの角度は可変式のため、 どんなジェットでも船底に密着させることができます。 | サスペンション リーフスプリングとショックアブソーバーです。 リーフスプリングは約¥4,000、ショックは約¥5,000です。 |
リアコンビネーションランプ ウインカー、テールライト、バックライトが一体となっています。 防水性なのでジェットの上げ下ろしの際に トレーラーを直接水に漬けても問題ありません。約¥10,000。 | リフレクター その名の通り、反射板です。¥1,000。 |
セーフティチェーン トレーラーの脱落防止のための安全チェーンです。 牽引車側のヒッチメンバーに繋げます。 万一カプラーが外れても、トレーラーが離れるのを防ぎます。 | ランチャータイヤハンガー これはトレーラー自体の機能には関係ありません。 重く大きいジェットランチャーのタイヤを トレーラーのフレームの固定し、その輸送を楽にするパーツです。 →シゲちゃんが自作しました! |
●トレーラーの手続き
通常、トレーラーは、予備検査付きの状態で市販されています。予備検査付きとは、トレーラー自体の検査を完了していることを意味します。このため、購入後にすることは、トレーラーのナンバー登録と牽引車両の登録になります。トレーラーには軽自動車規格(最大積載量350kg)と、小型/普通自動車規格(最大積載量はトレーラーの規定最大積載重量)がありますが、ここでは、軽自動車規格のトレーラーを対象に、トレーラー牽引までに必要な手続きを説明します。
◆牽引免許について
トレーラーの総重量(トレーラー重量+積載物の重量)が750kg以下であれば、牽引免許は不要です。このため、普通自動車免許で牽引できます。一般的に、タンデムのジェットスキーの乾燥重量(燃料等を含まないときの重量)は300kg〜400kg、シングルジェットの乾燥重量は150kg以下、また、トレーラー自体の重量は150kg程度なので、タンデム1艇とシングル1艇であれば総重量は750kg以下となり、普通免許で牽引できると考えてよいでしょう。タンデム2艇の場合は750kg以上となる場合がほとんどと思われるため、牽引免許が必要になるでしょう。
◆トレーラーのナンバー登録
トレーラーも通常のクルマと同様に、ナンバー取得が必要です。これは、道路運送車両法第2条2項でトレーラーが自動車と規定されているためです。このため、車検も2年毎に受けなければなりません。これらの登録や車検は軽自動車検査協会で行います。ちなみに、小型/普通自動車規格のトレーラーの場合は、車検は1年毎で、登録や車検などの諸手続きは陸運支局で行います。
予備検査証付きのトレーラーは、トレーラー購入後、下に示す書類を軽自動車検査協会に持っていき、登録手続きをします。混んでいなければ手続きは1時間もかからないはずです。手続きが完了すると、ナンバープレートが手渡されます。字光式のナンバープレートもありますが、費用が余計� ��かかるので通常のナンバーで十分です(そういえば、まだ字光式のナンバープレートを付けた軽自動車を見たことがありません)。ナンバーの封印はないので、持ち帰って自分でトレーラーにナンバーを取り付けます。これでやっと牽引できる状態になります。予備検査証がないトレーラーの場合は、トレーラーの検査がありますので、持ち込む必要があります。トラックなどにトレーラーを載せて持ち込む場合は問題ないですが、牽引する場合は仮ナンバーを付けなければいけません。
◆牽引車両の登録
スーフォールズのトレーラー
ナンバー登録したトレーラーは、どのクルマでも牽引できる訳ではありません。牽引するクルマに、そのトレーラーを牽引できる能力(馬力やブレーキ性能)があることを示さなければ(認めてもらわなければ)いけません。牽引車として認めれらたクルマは、そのトレーラーの車検証の備考欄に、クルマの型式が記入されます。すなわち、牽引できるクルマは、トレーラーの車検証に書かれているクルマだけということです。 新規登録したトレーラーには牽引車両が登録されておりませんので(トレーラー販売店所有のクルマが登録されている場合があります)、牽引する予定のクルマ(マイカーなど)を登録(トレーラーの車検証に記載)しなければなりませ ん。
牽引車の車種に特に制限はなく、後述の連結仕様検討書(注1)を満たせば、どのようなクルマで牽引車として認められます(軽自動車では無理な場合があるかもしれません)。なお、手続きの際、トレーラーの持ち込みは不要です。この登録も軽自動車検査協会で行います。トレーラーの登録と同時に行うのが良いでしょう。なお、牽引車は何台でも登録できますので、牽引する可能性があるならば、友人のクルマなども登録しておくと良いと思います。ちなみに私のトレーラーには牽引車が5台登録されています。
(注2)最近、牽引に関する新しい規則ができ、トレーラーに牽引車登録しなくてもよい方法ができました。
表3 牽引車両の登録に必要なものと費用 | |
必要なもの | ・トレーラーの車検証 ・牽引車の車検証 ・連結仕様検討書 ・印鑑 |
費用 | ・申請書類代 ¥40程度 |
(注1)連結仕様検討書について
連結仕様検討書とは、牽引車およびトレーラーの車重、ブレーキ制動力などから、牽引時の制動停止距離、ブレーキ制動力、走行性能等を計算し、問題なく安全に牽引できることを示す書類のことです。この書類を作成、提出しなければ牽引登録できません。
制動力の計算などと言うと大変難しそうな印象を受けますが、実際は、牽引車の諸元(車重やブレーキ制動力、軸重、停止距離など)を調べ、公式に当てはめるだけなので、比較的簡単に作ることができます。面倒な場合はボートショップなどに依頼することもできますが、1万円近い費用がかかります(もちろん店によって異なります)ので自分でやった方が良いでしょう。牽引車の諸元は、メーカーに直接聞く� ��、陸運支局に出向き、諸元表を見せてもらえば分かるはずです。ちなみにアウトバックの諸元は、「SUBARU お客様センター」に直接電話して聞きました(大変親切に教えて頂きました^^)。ディーラーでは分からない場合が多いです。
連結仕様検討書はフリーフォーマットです(決まった書式はありません)が、下に見本を置いていますのでご覧ください。
連結仕様検討書の見本はこちらからダウンロードできます
→ スバル アウトバック用 連結仕様検討書(スバル アウトバックBP9);PDF(13KB)
→ スバル フォレスター用 連結仕様検討書(スバル フォレスターSF5);PDF(13KB)
(注2)新しい牽引法について
2004年7月から牽引法が改正されました。これは、牽引車の車検証の備考欄に牽引可能なトレーラーの総重量を記載できるようになり、今までのようにトレーラーの車検証に牽引車登録をしなくてもよくなりました。もちろん、今まで通りにトレーラーに牽引車登録してもOKですが、牽引車の車検証に牽引可能なトレーラー総重量を記載しておくと、その総重量以下のトレーラーであればどんなトレーラでも牽引できるため、大変便利です(友人のトレーラーも牽引できるようになります)。クルマの車検証の記載変更をするため、この手続きは、陸運支局ですることになります。まだやったことがありませんので、チャンスがあればやってみようと思います。
◆トレーラーの車検
ナンバー登録をしている以上は通常のクルマを同じように車検が必要です。軽自動車規格のトレーラーの場合、車検は2年に一度です。トレーラーを軽自動車検査協会に持ち込み、ガタツキや灯火に問題がないか等をチェックします。
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表4 トレーラーの車検に必要なものと費用 | |
必要なもの | ・トレーラーの車検証 ・自賠責保険支払い証明書(新と旧) ・納税証明書(継続検査証) ・定期点検記録簿(24ヶ月点検;「車検後に自分でする」と申告してもOKです)。 |
費用 | ・自賠責保険 ¥5,210 (25ヶ月分) ・重量税 ¥8,800 (2年) ・検査手数料 ¥1,400 |
<トレーラーのユーザー車検体験記(その1)> |
2003年にトレーラーのユーザー車検をしました。地方自治体によって異なる部分もあるかと思いますが、ここでは千葉県袖ヶ浦にある軽自動車検査協会でのトレーラーの車検体験をもとに、その内容を簡単に記します。 (1)車検の予約 (2)車検手続き (3)トレーラーの検査 |
<トレーラーのユーザー車検体験記(その2)> |
2006年に2回目のトレーラーの車検を迎えました。前回と同じく自分で検査場まで持ち込みましたが、一つだけ異なる点がありました。それはトレーラーの車検が切れていたこと。車検切れのトレーラーでは検査場まで牽引できないため、まずは仮ナンバーの取得からしました。 (1)仮ナンバーの取得
トレーラーなので検査設備のある小屋の外に停めておくと、検査官が小さなトンカチを持って小屋から出てきました。申請書と旧車検証などの書類一式を手渡します。まずはトレーラーのフレームのボルト接合部などをトンカチで軽く叩 いてガタつきがないかチェック。続いて灯火類のチェック。ウインカー、ハザード、ブレーキ、バックランプが牽引車と連動するか確認します。もちろん問題なし。続いてブレーキのチェック。トレーラーのハンドブレーキを引きます。「ギッ」と音がします。前回はこの状態で牽引車のアクセルを少し踏み、トレーラーのブレーキの効き具合を見ましたが、今回はその指示はなく、ブレーキを引いただけでOKでした。問題があった訳ではありませんが、ほっとしました。^^; |
◆牽引車両の追加
牽引車を変えた場合や追加したい場合には、トレーラーの車検証に牽引車を追加登録しなければいけません。
手続きは、牽引車両の登録方法とほぼ同じで、連結仕様検討書さえ作成できれば簡単なもので、費用も申請書類代くらいです。
表5 牽引車両の追加に必要なものと費用 | |
必要なもの | ・トレーラーの車検証 ・牽引車の車検証 ・連結仕様検討書 ・印鑑 |
費用 | ・申請書類代 ¥40程度 |
●その他
◆ヒッチメンバー(牽引装置)付きのクルマへのETCセットアップについて
トレーラーを牽引している状態での高速道路の通行料金は、ワンランク上の料金となります。つまり、「普通車料金」のクルマがトレーラーを牽引すると、1つ上の「中型車料金」となります。料金所の係員に直接支払う場合は、一目瞭然なので、牽引時は「中型車料金」、牽引していないときは「普通車料金」、と区別できます。では、自動的に料金が引き落とされるETCを利用した場合はどうなるのでしょうか。
ETCをセットアップする際の申請書には、「牽引装置の有無」という項目があります。実は、アウトバックにETCをセットアップした際、ヒッチメンバーを付けているため、当然のごとく「有り」と記入して申請しました。ところが後で考えると、高速道路を利用する際は、圧� ��的に牽引車単独で走ることが多いはずで、トレーラーを牽いていなくても毎回ワンランク上の料金になってしまうのでは!と焦りました。「牽引装置なし」、に内容変更する場合も登録変更料金が別途かかってしまうのでこれは大きな問題です。
早速問い合わせてみると、「牽引装置あり」の申請で正しかったことが分かりました。すなわち、ETCのシステムは、牽引時とそうでないときを自動的に判別できるようになっているそうです。従って、牽引時は「中型車料金」、そうでないときは「普通車料金」が引き落とされることになります。このシステムは日本道路公団が管理する有料道路が対象だそうです(これらの道路の通行料金が車種によって異なるためです;軽自動車、普通車、中型車、大型車、特大車)。ちなみに、首都 高速、阪神高速では、普通車、大型車の区分しかないため、牽引していても、してしなくても通行料金は「普通車料金」のままとなるようです。
というわけで、ヒッチメンバー付きのクルマのETCは「牽引装置有り」でセットアップすることがベターです。
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